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2018.07.15 ドクターから一言 第32回「コレステロールは高い方がいいの?」

最近コレステロール値に対する議論がにわかに高まっています。
即ちコレステロールが低い人の死亡率が上がったという栄養学者らの作る脂質栄養学会の発表です。一方医学会はこれに反発しています。

そもそもコレステロールは8割が肝臓で作られ、2割は食品由来で細胞膜や神経細胞、ホルモン、胆汁の元になる重要なものです。
このうちLDLは血管壁にたまって動脈硬化を起こす悪玉、HDLは血管から余分なコレステロールを運ぶ善玉です。
現在まで様々の国内外の研究からLDLが高くなると動脈硬化が進み心臓死の発生率が上がるのは明らかです。

では、なぜこのように相反する結果が出たのでしょうか。
一つはコレステロールは肝臓で作られるので肝臓病の人は当然低くなります。
脂質栄養学会の発表の中には肝臓病の方も含まれたためコレステロールの低い人の死亡率が高かったという結果が出た様です。
実際肝臓病の方を除くとコレステロール値が低い人の死亡率が高いという現象は認められません。
実際WHOの調査でも感染症、低栄養の死亡率は半分になり、癌、動脈硬化性疾患の死亡率が格段に高くなっています。
但し、高LDLにも他の危険因子、例えば心臓病、喫煙、糖尿病、高血圧、年齢、低LDLの有無により4段階に分かれて治療レベルが決まっており一律ではありません。
ご自身のLDLレベルと危険因子の有無をぜひチェックしてみてください。
なお、総コレステロール値は現在は参考程度にしか考慮しませんのでご注意ください。