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2017.08.30 ドクターから一言 第25回「微小血管狭心症」

あまり聞きなれない病名ですね。
これは更年期女性に見られる狭心症で、女性ホルモンの減少が関係していると考えられています。
胸が締め付けるような痛みがあるが、心電図や心臓カテーテル検査をしても異常が発見されない場合、この病気の可能性があります。
女性ホルモンは微小血管を広げる働きがありますが、更年期になると減少するため血管の伸展性が低下し、ストレスがかかった時などに心筋内の細い血管が収縮するため胸痛が起こると考えられています。

いわゆる狭心症とは、心臓に血液を送る太い冠動脈の狭窄、収縮によって起こりますが、微小血管狭心症はそれから枝分かれした先の細い血管でおこるため、なかなか診断がつきにくいのです。
強い胸痛のある時はまず狭心症を疑い各種検査する必要がありますが、それで異常が見つからない場合は、この病気も疑ってみる必要があります。
このような場合、心臓の細い血管も拡張する作業のあるカルシウム拮抗薬を試していただき、服用して胸痛が改善される場合に微小血管狭心症だという診断にもなります。

この病気は過労・ストレス・不眠・寒冷などで誘発されることもあるので、できるだけ避ける必要があります。
気になる方は一度循環器科を受診ください。