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2016.12.20 ドクターから一言 第18回「慢性心不全の方増加中」

よく誤解されますが心不全とは病名ではなく、何らかの原因で全身に血液を送る心臓のポンプ機能が低下した状態を表わし、急性と慢性に分けられます。
慢性心不全とはこの心ポンプ機能低下が長期に慢性的に続く状態で、従来心筋梗塞や弁膜症など元々心臓病歴のある方に多かったのですが、近年、明らかな心病歴のない方、例えば高血圧や不整脈の内の心房細動、糖尿病やメタボリック症候群などが元になり心不全になる方が増えています。
つまり生活習慣病から心不全に至る方が増えているのです。
症状としては、疲れやすい、呼吸苦、少しの歩行、運動での息切れ、また高齢者では食欲不振、呼びかけに対する反応低下等があり、さらに進行すると夜間息苦しくて目が覚める、横になると苦しく、座って寝る等の症状が出現し、ついには急激に悪化して死に至ります。
この予防はまず基礎にある生活習慣病をできるだけ早期から、できるだけ低い値にコントロールすることが重要で、もちろん禁煙は不可欠です。
診断は心電図、レントゲン、エコー検査、ホルター心電図等により行ない、病態に応じた治療と共に家庭では徹底した塩分制限が必要となります。
歩行時等に少しでも息切れを感じる方は一応循環器専門医の受診をお勧めします。