2016.09.10
ドクターから一言 第11回「むくみ、静脈瘤、海外旅行前には足の血栓のチェックを」
プロサッカーの高原選手もなった『旅行者血栓症』という病気をご存じですか?
これは主として骨盤内や足の筋肉内(特に下腿)の静脈にできた血栓が、次第に上行しやがて肺に詰まる病気で、突然発症し重症になると呼吸困難やショック、ときには死に到る怖い病気で、先進国中唯一日本で増加傾向にあります。
血栓は血液のうっ滞で発生しますので、長時間同じ姿勢を続ける旅行や手術後の安静、麻痺などはもちろん、血液が固まり易くなる妊娠や経口避妊薬、また元々足の静脈瘤に血栓がある場合に筋肉内静脈に進出し、やがて肺に飛ぶこともあります。
これ以外でも足のむくみや皮膚着色などは静脈血栓の症状の一つです。
したがって、これらの方は一度静脈血栓の有無をエコーでチェックすることをお勧めします。
検査は簡便、短時間で特別な用意は不要です。
血栓があれば溶かす治療を行い、血液うっ滞だけなら弾力ストッキングをはけば血栓予防も可能で、安心して旅行を楽しんでいただけると思います。