地域の皆様の健康をトータルサポートする医療法人社団北瀬循環器科内科 ページアイコン ブログ blog

2016.10.10 ドクターから一言 第13回「生活習慣病って止められるの?」

この言葉は日々の診療の際によく質問されるし、皆様も疑問に思われていることでしょう。
なかには一度薬を飲み出すと止められないから嫌だ、あるいは治療中の方でも医者に薬を半ば強制的に飲まされていると感じておられる方もいらっしゃると思います。

では生活習慣病治療の最終的な目的とは何でしょう。
血圧、血糖、血中脂質を下げて良好な値にすることが目的でしょうか。
私はそれはあくまで手段、目安であって、本当の目的は血管をできるだけしなやかに保ち、いつまでも動脈硬化のない若々しい血管で、亡くなる直前まで障害なく元気で過ごすことだと思っています。
自分自身はそうありたいと思いますし、皆様もそうあっていただきたいと思います。
つまりゴールはそれぞれの方の臨終の日であって、その日まで元気で障害のない体でいられたら大往生できたと言えるのではないでしょうか。
実際、現在の考え方では高血圧の治療はできるだけ早期から、できるだけ低い血圧を維持することが動脈硬化予防には大変重要だと考えられています。
これは無論糖尿病、高脂血症でも同様です。
脳梗塞、心筋梗塞あるいは腎不全に一度なると残念ながら100%元の体に戻るのは難しいです。
ですから生活習慣病治療は、より健康で最後まで自由な体を維持するためのメンテナンスなのだと発想を転換してみてはいかがでしょうか。
最後の日までお元気で。